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2か月で取引公正化推進アクションプランが改定されるなど、下請取引に対する監督体制の強化が進む-産経Bizほか (2021-11-27)

11月26日の「第3回新しい資本主義実現会議」では「私も先頭に立って、中小企業が原材料費、エネルギーコスト、労務費の上昇分を適切に転嫁できるよう、働き掛けを行っていきます。...第4に中小企業の賃上げの環境を整備するため、下請Gメンの倍増を図り、取引適正化のための監督を強化いたします。」との岸田首相の発言があり、公正取引委員会の「(令和3年11月16日)下請取引の適正化について」にも「さらに,「成長と分配の好循環」の実現には,下請事業者の取引環境の改善が必要不可欠であるという問題意識の下,政府を挙げて下請取引に対する監督体制の強化に取り組んでいる。」と記載されるなど、下請取引への適正化が進んでいます。

11月24日には、9月8日に出された「中小事業者等取引公正化推進アクションプラン」が2か月で改定されました。9月には最低賃金引上げを勘案しない単価据え置きに厳正に対処する方針が出されていましたが、原油価格高騰のエネルギーコスト大幅上昇を勘案しない場合にも対処する旨が追加されました。

主な改定点は以下。
来年1月以降の物流業者調査(40,000名)に、最低賃金の引上げやエネルギーコストの上昇に伴う影響に関する質問を追加

原油価格の高騰に関する下請法Q&Aに「原油価格の高騰に伴いエネルギーコストが大幅に上昇した下請事業者から単価の引上げを求められたにもかかわらず,親事業者が一方的に従来どおりに単価を据え置いて発注することは,買いたたきに該当するおそれがある」を明記

「新しい資本主義」「成長と分配の好循環」の重要政策となっていることからも、より一層の留意が必要と思われます。

参考)
原油高転嫁受け入れ拒否「下請法違反の恐れ」公取委‐日本経済新聞(2021年11月24日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA243B50U1A121C2000000/

下請け取引、年間1万社調査 買いたたき監視へGメン増員‐日本経済新聞(2021年11月6日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA05BCZ0V01C21A1000000/

「下請けと共存共栄」3800社が宣言 政府目標の倍近くに‐日本経済新聞(2021年11月22日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA058AR0V01C21A1000000/

(令和3年11月24日)「中小事業者等取引公正化推進アクションプラン」の改定について-公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2021/nov/211124.html

(令和3年11月16日)下請取引の適正化について-公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2021/nov/211116.html

新しい資本主義実現会議(2021年11月26日)‐首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202111/26shihon.html