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あと1か月強、しかし電子帳簿保存法への対応が未決定の企業がいまだ6割‐A1Aプレスリリース (2021-11-25)

RFQCloudを展開するA1Aは、購買実務への貢献のために様々なアンケート調査の結果を報じています。8月には材料逼迫状況の現場感豊富で有用なアンケート調査結果が提示されましたが、11月には電子帳簿保存法の2022年改正への対応状況の調査結果が発表され、以下が指摘されました。
・6割を超える企業で対応要否・対応方針が定まっていないと回答
・約半数の企業が改正内容および影響範囲が不明という結果
・見積書・注文請書・納品書・請求書などのサプライヤーから受領する取引書類への対応方針は事務処理規程の策定に次いでEDI導入といった結果に

様々な情報ソースが報じてるように、従来は電子メールやそれへの添付PDF文書で提供される取引書類( 見積書・注文請書・納品書・請求書など)を印刷し保存すれば良かったのが、以下のいずれかの方式にて保存するように変更になったところです(紙への印刷保存は不可)。
(真実性の要件)
・タイムスタンプを付与し(付与はサプライヤーでも買い手企業でも可)、保存
・一貫したコンピュータ上での取引に変更
・事務処理規程を作成して、それに準拠した運用を行う(この場合も従来の紙保存は不可)
・電子メールをやめて、一貫して紙での受領・保管に切り替え(これは現実性がないと思われる)

加えて保存データ検索の可視性の要件として、以下をAND条件で満たすこと(そのために、少なくともExcelの索引簿を手入力作成すること)が必要になります。
①取引年月日その他の日付、取引金額、取引先を検索の条件として設定することができること
②日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること
③二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができる

国税庁から提供されている雛型を使って、事務処理規程を作成し、索引簿を準備することが逃げ道ですが、一方で多数の一般社員を含めた業務プロセスの手順変更が必要になります。

立替金精算など小口支出の間接材では、ECサイトから領収書が添付ファイルで送付されてくるなどが多くあります。その扱い手順を変更しなければなりませんが、なにぶんにも対象者が広範囲な一般社員に及びます。ゆえに2022年から確実に新しい業務手順に移行するためには、半数が改正内容不明、6割が対応方針未定の状況はかなり厳しいと思われます。
(A1A調査は、そのユーザーである直接材担当を想定のため、領収書立替精算は含まれていませんが、おそらく対応状況は同様と思われます)

怪しい場合には、急ぎでチェックする必要があります。

国税庁提供の雛型
・事務処理規程(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/word/0021006-031_d.docx)
・索引簿(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/excel/0021006-031_c.xlsx)

参考)
もう印刷不可、電子メールや添付ファイルの見積書・契約書などは、タイムスタンプか事務規定整備が必要に-国税庁‐It's購買系 (2021年7月30日)
https://www.facebook.com/itscobuy/posts/4505273136170562

製造業の7割超で"悩み"の原価上昇、4割弱が部材不足で生産抑制、関心の高まりはCSR調達とサプライチェーン見直し-A1A調査結果等 (2021年9月16日)
https://www.facebook.com/itscobuy/posts/4657829217581619