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もう印刷不可、電子メールや添付ファイルの見積書・契約書などは、タイムスタンプか事務規定整備が必要に-国税庁 (2021-07-30)

かねて大きな話題となっていた改正電子帳簿保存法ですが、7月16日に改正に対応した「電子帳簿保存法Q&A(一問一答)」が公開されるなど、これまで準備中だった資料類が揃いました。

これまでは、電子メールや添付ファイルで受領した取引情報は紙で印刷して保管しておけばよしとされていました。しかし平成4年(2022年度)に始まる会計年度からは、紙保管が認められず、取引情報そのものを電子データで保管することが求められます。

問題は、電子データ形態での保管方法で、改ざんが行われないようにする必要がでてきました。
そのため、タイムスタンプを付して保管しなければの話が出てきて、混乱が生じていました。
(ツールベンダーからの強引なタイムスタンプ付与して保存するツールの売り込みもあったようです)。

それに対して、2通りの保存方法が示されました。すなわち以下になります。
タイムスタンプ付与保存ツールは、必ずしも必要ではありません。
(1)タイムスタンプを付与する(送り手が付与していない場合は、受領者が付与する)
(2)事務処理規程「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程」を作成し、それに則った運用を行う(規定の雛形もWordで公開されていますので、これに即して整備が必要です)

対象は次とされています。
⑴ 電子メールにより請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)を受領
⑵ インターネットのホームページからダウンロードした請求書や領収書等のデータ
(PDFファイル等)又はホームページ上に表示される請求書や領収書等のスクリーンショットを利用
⑹ ペーパレス化されたFAX機能を持つ複合機を利用
⑺ 請求書や領収書等のデータをDVD等の記録媒体を介して受領

※Q&A(一問一答)の問4(問22)がわかりやすいと思います。

それとともに重要なのは、取引情報データの保存方法です。これまでは印刷して提出すれば、メールや添付ファイルはどこかへいってしまっても問題は有りませんでした。しかし改正後は、電子データを保管し、税務調査の際には提示できなければなりません。そのための業務フローや役割分担を規定に加えて整備し、確実に運用していく事が必要になります。紙と違って目視で内容確認できませんので、探し出せるようにファイル名に工夫が必要などの配慮も必要になります。こちらの変更の徹底の方が、業務負荷的には大変かもしれません。

なお、電子データの保管場所(繰り返しますが保管時には規定がない場合はタイムスタンプ付与が必要、規定があればタイムスタンプ不要)ですが、探し出せる(検索できる)ならばサーバーなどの所定場所に保管しておくことで大丈夫です。また、購買システムなどのワークフロー機能に添付保管することも認められています(Q&A(一問一答)の問24)。

なお、データを手許にダウンロードしたりせず、一貫してシステム内で電子取引が行われ、訂正削除の記録が残る又は訂正削除ができない場合、すなわちクラウドの購買システムのような場合には、措置不要となります。

不明点は国税庁/税務署などに確認し、2022年1月1日までに対応できている必要があります。