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「叩き潰されないためには、コストはとりわけ重要なんだ!」イーロン・マスクから従業員宛メールーCNBC (2020-12-05)

12月1日にイーロン・マスク氏(テスラCEO)がテスラ従業員に発信した「コストはとりわけ重要だ!(Costs are extremely important!)」という題のメールが、CNBCで紹介されるとともに、様々なメディアで取り上げられています。

テスラは、まだ年間販売台数50万台程度の規模ですが、コロナ禍の低迷でレイオフした従業員を再雇用し、2020年第3四半期(7~9月期)は過去最高益達成で5期連続黒字という状況です。また経済産業省が2030年代半ばに新車は全てEVにすると発表したように、波に乗ってきています。

テスラの時価総額は5000億ドル(約52兆円)を突破し、いまやトヨタ、フォルクスワーゲン、GM3社の時価総額を凌駕しています(7月にはトヨタに並んでいましたので急上昇です)。12月21日にはS&P500指数の構成銘柄に採用されますが、巨額の時価総額ゆえに、一括で取り込むべきかが議論されてもいました(分割ではなく、一括採用になる模様)。

もっともイーロン・マスク氏はこれまでもコストを重視し、例えば昨年のコスト削減プロジェクトでは、マスク氏自身も陣頭に立ち、部品価格、給与、出張旅費、賃貸関連の見直しを行ってきました。それに加えて出された今回のメールは、「小銭稼ぎの難しいゲーム(tough game of pennies)」や「ハンマーで叩き潰されるスフレ(get crushed like a souffle under a sledgehammer!)」といった言葉を含めて、購買の世界でも注目を集めているようです。

==(以下、全文訳)==
From: イーロンマスク(Elon Musk)
To: 皆さん(Everybody)
Subj. コストはとりわけ需要だ! (Costs are extremely important!)
Date: 2020年12月1日

株価が新たな高みに達している今、支出に注意深くあることは重要でないと思えるかもしれません。しかし全くそんなことはありません!

実際の利益率を見てみると、過去1年間の1%程は非常に低い値です。投資家は将来の収益性を高く評価してくれていますが、それが実現しないと判断された場合、当社の株価はすぐにハンマーで叩き潰されるスフレのようになってしまうことでしょう!

重要なのは、我々の車を手頃な価格にするために、我々はお金の使い方に賢くなる必要があるということです。それは、部品コストを改善したり、工場のプロセスを改善したり、品質や機能を向上させつつデザインをシンプルにしたりできる、何千もの良いアイデアが必要となる「小銭稼ぎ」の難しいゲーム(tough game of pennies)です。素晴らしいアイデアであれば5ドルの節約になりますが、大部分のアイデアは、ここでは0.50ドル、あそこでは0.20ドルといった具合でしかありません。

しかし電化革命を実現するためには、電気自動車、バッテリー、ソーラーをすべての人に手の届く価格にしなければならないのです。

皆さんと一緒に仕事をすることに常に感謝しています。
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参考)
トヨタを抜いたテスラ 100年に一度の変革期に豊田章男が掲げる「理想」-フォーブス・ジャパン(2020年11月28日)
https://forbesjapan.com/articles/detail/38400

乗ってみて分かった、テスラ「モデル3」が「日本車を駆逐する勢い」の本当の理由-エコノミスト(2020年11月28日)
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20201128/se1/00m/020/002000d

Elon Musk calls on staff to cut costs in 'tough game of pennies'-CIPS(Supply Management) (2020年12月2日)
https://www.cips.org/supply-management/news/2020/december/elon-musk-calls-on-staff-to-cut-costs-in-tough-game-of-pennies/