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ダイキン工業、競わせながら地産地消100%の強靭なサプライチェーン再構築を目指すー日経ビジネスト (2020-08-07)

日経ビジネスオンラインで「止まらない工場へ 終わりなき改革」という、回復力ある(レジリエントな)サプライチェーン構築に向けた連載が続いています(有料会員にならなくとも3本まで記事閲覧可能)。

7月30日には、ダイキン工業の取り組みが掲載されました。
ダイキン工業は、「地産地消こそがリスクを受けにくいサプライチェーンの形」との考えから、20~30年かけて、日本、中国、欧州、米州など世界5極の調達、生産体制を構築してきたとのされています。

しかし、コロナ危機では中国からの部材調達が、最終的に大事には至らなかったものの、断絶リスクが迫ったとのこと。しかし一部の部品は競争力のある地点の集中購買になっていたことで、断絶リスクが生じたとしています(残りの3割が地産地消になっておらず、その半分は中国に依存)。

これに対して、残りの3割と言えども、地産地消化するために、以下を今後実施していくとのことです。

・クリーバルサプライヤーに匹敵する現地サプライヤーを発掘する
・現地サプライヤーが劣る場合は、グローバル集中購買先と競わせつつ、育成することで地産地消化を進める(グローバルサプライヤーの最安値をベンチマークに、生産性の改善の方法を教えていくなど)
・場合によっては、中国サプライヤーに世界各地域に進出してもらうことも検討する

最後の項目は、トヨタなどの日系自動車産業が日本サプライヤーに対して実施してきたような内容と思いますが、グローバルにビジネスを展開するダイキン工業が中国サプライヤーにもこの方式の適用を考えているところは興味深く思えます。

記事には、より具体的で生々しい記述もあり、参考になる内容と思います。

参考)
重要さ増す調達戦略:アフターコロナを考える ダイキン工業執行役員 竹内牧男氏-日本経済新聞(2020年8月4日)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62225270T00C20A8M12500/