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トヨタサプライヤーシステムの原点はサプライヤーを共同出資・共同開発者とする創業時の思想など興味深い観点が多数 - 財経新聞 (2020-05-15)

1月に財形新聞の連載「系列は崩壊するのか?」(kenzoogata氏)の下請け(系列)システムに関する連載記事をご紹介しましrたが、最近の記事も興味深いものがあります。

記事「ROE重視で有利子負債が重荷に (2/2) 日本のトヨタ、ホンダ、日産は?(5月1日)」でkenzoogata氏は、トヨタの企業体質を「下請体制(協業で部品技術にまで手を伸ばす)」、日産とホンダを「アッセンブラー(強みがあるところから部品を買い集めて組み立てることに徹する)」区分しています。

その上で、トヨタの下請体制について、3回連載「自動車産業は系列を破壊すべきか(5月5日~7日)」で系列(下請システム)を論じています。その中には、以下のような記述があったりします。

・20年ほど前の日産ゴーン改革を契機に、kenzoogata氏はトヨタvs日産を「系列vsグローバル発注」で見てきた。ホンダは「系列解体の道半ば」。 ・ところでこの3社とも、創業時代には、欧米企業からの自立自前の達成を目指していた。
・とはいえ、現在、日産とホンダはサプライヤーに任せて「最新最高性能のものを世界から買ってくる」アセンブラーを志向している。
・一方でトヨタの思想は、資本関係や業務提携関係などの企業に、分担して技術開発する体制にある。
・トヨタは、サプライヤーに資金も技術も出させて、同一事業への共同出資者、共同開発者にサプライヤーを位置づけている。その結果をコスト優位性につなげている。
・またホンダが新型フィットの電動駐車ブレーキのグローバル発注で品質問題を起こしたのとは違い、単に技術だけではなく、品質も買ってきている(生産の仕方により重点を置いている)。
・その上で、ジャスト・イン・タイムのムダ取りもできている。

こんなように、エピソードを交えて書かれて記事は、読んでいて楽しいです。

参考)
ROE重視で有利子負債が重荷に (2/2) 日本のトヨタ、ホンダ、日産は?-財形新聞(2020年5月1日)
https://www.zaikei.co.jp/article/20200501/564433.html

【自動車産業は系列を破壊すべきか (1)】トヨタの危機がやってくる? 系列とはなにかー財形新聞(2020年5月5日)
https://www.zaikei.co.jp/article/20200505/564991.html

【自動車産業は系列を破壊すべきか (2)】コストが勝負を決めるー財形新聞(2020年5月6日)
https://www.zaikei.co.jp/article/20200506/564992.html

【自動車産業は系列を破壊すべきか (3)】ジャストインタイムがコストを決めるー財形新聞(2020年5月6日)
https://www.zaikei.co.jp/article/20200506/564994.html

資金効率で考えると、一般サプライヤよりも下請けの優位性が見えてくる - 財経新聞 (2020年1月28日)
https://www.facebook.com/itscobuy/posts/2961582713872953