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原材料費は下がる予想も、人件費関連がコスト圧迫、しかし先行き景況感はかなり厳しいー日本経済新聞他 (2019-09-30)

9月28日に日本経済新聞が「産業用資材の在庫だぶつく 鋼材や紙、景気減速の不安映す」の題で、中国の景況感悪化から需要が先細った産業用資材(鋼材や段ボール)の在庫が積み上がり、価格低減圧力が強まっていることが報じられました。日経商品指数42種が、8月まで9か月連続で前年を下回ったことも報じられました。

一方で、帝国データバンクが月次で発表しているTDB景気動向調査の8月調査結果(9月4日)発表も、全国の景気DIが2019年8月は44.7と、「モノが買えない」のピークだった2018年1月の51.1からすっかり様変わりしています。2014年の前回の消費税引き上げはDI値が50越えと好況の下行われましたが、今回ははるかに低い状態で実施されます。

さらに、TDB景気動向調査の今後の見通しは、どんどんと景況感が悪くなる予測で、1年後の2020年8月のDI値は40.7と、2016年の景気悪化時と同等まで低下が予想され、レポートでは「今後の国内景気は、消費税率引き上げ後の消費減退やコスト負担増に海外リスクも加わ り、不透明感が一層強まっている」としています。

一方で、最低賃金の値上げや直近の人手不足から、9月17日には「人件費増、増収かき消す上場企業営業利益11%減 4~6月 景気減速で負担あらわ」という日本経済新聞の記事が出ました。

現在は、好況と不況の兆候が入り混じっている状況ですが、景気は悪化傾向になり、収益が頭打ちになったとたん、購買部門へのコストダウン期待が強まってくることを覚悟するタイミングのような気がします。

参考)
人件費増、増収かき消す上場企業営業利益11%減 4~6月 景気減速で負担あらわ-日本経済新聞(2019年9月17日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49894170X10C19A9DTA000/

材料にも物流費理由の値上げ続々、フェノール、トヨタ支給鋼材では初めての事態-日本経済新聞ーIt's購買系(2019年8月27日)
https://Fwww.facebook.com/Fitscobuy/posts/2625619520802609

TDB 景気動向調査(全国)― 2019年8月調査 ― ー帝国データバンク(2019年9月4日)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/k190901.html