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ホルムス海峡封鎖が起これば、石油に留まらず、様々な素材にも影響が及ぶー日本経済新聞 (2019-09-15)

折しもサウジアラビアの石油施設への無人機攻撃(世界生産量の5%分が生産停止見込み)が報じられたところですが、9月15日の日本経済新聞は、最近タンカーへの攻撃・拿捕が相次いだホルムス海峡がもし封鎖される事態になれば、石油のみにとどまらないという特集記事を掲載しました。

石油相場の低迷に加えて、天然ガスなどの発電燃料が安価なメリットから、中東湾岸諸国は化学品や非鉄金属などに産業構造をシフトしています。

例えば、中東産アルミなどはここ10年ほどでずいぶんと目立つようになってきました。天然ガスを利用したアルミ精錬施設がUAEなどに建設され、そこからの日本への供給が増加しています(記事では10年で3倍に増えたとしています)。世界全体の流通量でみても、2008年はほぼゼロ、数年前は1割程度と言われていた湾岸諸国(UAEなど)産アルミは、今回の日経新聞記事では15%前後と、急速に生産量が伸びています。

このような状況下、もし輸送の大動脈であるホルムス海峡を通行できない事態が発生した場合、石油以外の素材への影響も発生するという内容の、「チャートは語る」とのデータを付しての解説記事になります。
今後の米国とイランの関係によっては、よりリスクが高まることが示されています。

また別地域ですが、合意なき離脱(ハードブレクジット)が発生した場合に、英国でどのような最悪事態が想定されるかを予想した英財務省の「Operation Yellowhammer」文書も公開されました。ドーバー海峡などの供給路が混乱した場合は、医薬品や食料の供給にも影響が出るとの、厳しい内容になっています。

参考)
英政権、「合意なき離脱」のシナリオ公開 薬品不足に食品高騰もーCNN (2019年9月12日)
https://www.cnn.co.jp/world/35142565.html

「合意なき離脱」最悪シナリオを英政府公開-ジョンソン氏に逆風-Bloomberg 最悪事態文書へのリンクあり (2019年9月12日)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-09-11/PXOUNA6JTSEA01