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クラフト・ハインツの調達での不正範囲が拡大、3年弱で約230億円の決算修正へ-Supply Chain Dive他 (2019-05-12)

クラフト・ハインツでの購買数値の不正操作は2月27日にIt's購買系でも取り上げましたが、社内調査が進んだ結果、さらに不正操作額および期間が拡大し、2月時点の約30億円(27百万ドル)が約230億円(208百万ドルに、さらにそれによる決算内容の修正期間も、当初の単一四半期分から、2016年~2018年第3四半期までとなったとのこと。

調査結果は、経営マネジメントは不正操作には関係せず、購買部門の複数の従業員がこれを行ったとしています。また不正操作はコストやリベート計上時期を期またぎで調整したことによるものとのこと。

動機としては、購買部門の従業員にも課せられていた「management-based objectives」のボーナス目標を達成するために不正が行われていたとされています。

一方で、クラフト・ハインツは2015年に行われた合併効果で大幅な調達コスト削減を見込み、かつ合併後もゼロベース予算などで積極的なコスト改善策を実施していました。購買部門にもかなりのコスト削減圧力がかかっていたと、CNBCの記事は指摘しています。加えて今年2月の第4四半期決算で、巨額(154億ドル(約1兆7000億円))の「のれん代償却」を計上して赤字に陥っています。こうしたひずみが購買従業員に不正操作を行わせる、更なる要因になったのではないかとも思われる一方、不正操作は合併直後の2016年から始まっていたことにもなります。

参考)
Misconduct at Kraft Heinz puts spotlight on employee pressure to meet bonus targets-CNBC
https://www.cnbc.com/2019/05/07/misconduct-at-kraft-heinz-puts-spotlight-on-pressure-to-meet-targets.html

Kraft Heinz Finds Procurement Misconduct, Will Restate Earnings-Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-05-06/kraft-heinz-to-restate-earnings-as-procurement-misconduct-found

購買コスト削減の優等生とされたクラフト・ハインツで購買領域の不適正会計発覚、25億円の決算修正-ブルームバーグ(2019年2月27日)
https://www.facebook.com/itscobuy/posts/231414575528332