Blog"   調達購買関連 最新トピックス
独自動車メーカーのVWとBMWが、サプライヤーも取り込むクラウド型情報連携基盤を整備へ-日本経済新聞他 (2019-04-12)

世界トップの販売台数を有するフォルクスワーゲン(VW)グループが、アマゾンのクラウドサービスを採用して、全世界の工場、ひいてはサプライヤーをつなぐ情報連携基盤を構築することが、3月末に報じられました。そしてそのすぐ後の4月5日には、BMWがマイクロソフトとの情報連携基盤を、業界標準化を見据えて拡張する発表がありました。このように、サプライヤーをも巻き込んだ情報連携基盤確立の動きが、独自動車業界で相次いでいます。

フォルクスワーゲン(VW) グループは、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)と共同で「VM Industrial Cluod」を構築し、まずはVWグループの全世界122カ所の工場からのデータを集約し、生産最適化や工場生産性の向上に活用する計画を、3月27日に発表しました。これにより、サプライチェーン(生産工程や物流)全体をシームレスに結ぶデジタル基盤を、まずは自社内で構築する計画です(2019年中に部分稼働予定)。

しかしそこにとどまらずに、連携範囲を全世界の約1500社のサプライヤー(3万カ所以上の拠点)に拡大し、自社工場と同様に、生産工程や物流状況をリアルタイムに把握できる仕組みに育てていく模様です。

一方でBMWは、4月3日に「Open Manufacturing Platform(OMP)」構想を、開催中のハノーバーメッセで発表し、両社の間で現在進めている情報連携基盤を自動車業界での標準にすることまでをもにらんで進めていくとしました。これは、すでにBMWが自社内で一部利用している「Microsoft Azure」上の仕組みを外部も含めて標準として展開しようとするもので、2019年中には、4~6社の参加パートナーを含めた最低15個の自動車業界内での導入事例を作りたいとのこと。

このように、最大規模の情報連携基盤となることが想定される自動車産業での取組みが、相次いで独メーカーから提示されています。

参考)
Deutscher Autokonzern baut um: VW verbündet sich mit Amazon-Frankfurter Allgemeine (ドイツ語)
https://www.faz.net/aktuell/wirtschaft/unternehmen/vw-verbuendet-sich-mit-amazon-bei-industrial-cloud-16110894.html

フォルクスワーゲン、インダストリアルクラウドにてシーメンスとも協業-シーメンス(プレスリリース)(2019年4月4日)
https://news1st.jp/archives/3721

マイクロソフトと BMW Group、Open Manufacturing Platform を発表-マイクロソフト
https://news.microsoft.com/ja-jp/2019/04/03/190403-bmw-launch-the-omp-on-microsoft-azure/

Microsoft teams up with BMW for the IoT focused open manufacturing platform -Tech Crunch
https://techcrunch.com/2019/04/02/microsoft-teams-up-with-bmw-for-the-iot-focused-open-manufacturing-platform/

【海外ITトピックス】 自動車製造現場に入るクラウド 産業IoTを狙うMicrosoftとAWS-インプレス
https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/column/infostand/1178745.html