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世界レベルでサプライチェーン断絶は増加、要警戒事態は2018年は前年から36%増加-CIPS(Supply Managemet) (2019-03-30)

3月15日発表の、サプライチェーンリスクの専門会社 Resilinc社の最新年次レポート「EventWatch」によると、2018年のサプライチェーンに関する要警戒事態は、前年に比べて36%も増加したとのことです。Resilinc社はEventWatchという要警戒事態アラートを発するシステムサービスを提供していますが、2018年は907件のアラートが発生し、全世界の21,512社(58,191拠点, 552,950部品)のサプライヤーがそれに関係したと報告されています。その主だったものは、企業買収・合併(M&A)、 工場火災/爆発、組織再編/経営陣の変更、事業売却やスピンオフ、工場閉鎖/操業停止の5つとしていますが、突発的な途絶を引き起こす大きな自然災害(1月の爆弾低気圧による北米の大雪、2月の台湾の花蓮地震、9月のハリケーン・フローレンスと台風22号、10月のハリケーン・マイケルと大きな自然災害が相次いでいることも指摘しています。

また、地政学的な混乱を反映し、法規制変更に関するアラートが6.4倍、抗議デモ/暴動が3.7倍になったとしています。

一方3月6日には、同様のリスク警告システム Resilience360を提供するDHL社も年次レポート「 Resilience360 Annual Risk report」を発表しました。こちらは、物流に視点が向いたものになっています。

そこでは、2018年のトップリスクは、貿易摩擦、サイバーセキュリティ、気候災害によるサプライチェーン断絶だったとしてます。

その上で、2019年に留意すべき10大トレンドとして以下をあげています。
1. 貿易戦争に伴う製造網の再編成
2. 需要増とサプライチェーンの脆弱性に起因する原材料不足
3. 規制や品質基準の強化が、特に製薬業界の重荷になる
4. 気候変動がさらに大きな問題となる
5. 特にアジア太平洋地区で、環境規制が厳格化され、対応を迫られる
6. 経済の不確実性と構造変化がサプライヤーに影響する
7. ストライキを含めた物流停滞の不安が高まる
8. 対応の不足から、ますます大型化するコンテナ船火災が大きな被害をもたらす
9. 国境に関する紛争で越境所要時間を長期化させる
10. ドローンによる航空機衝突事故が起る

参考)
EventWatch® 2018 Annual Report-Resilinc
https://info.resilinc.com/eventwatch-2018-annual-report

Trade wars tops risks for 2019-CIPS(Supply Management)
https://www.cips.org/en/supply-management/news/2019/march/raw-material-shortages-and-stricter-regulations-in-manufacturing-will-influence-2019-supply-chain-risks-reveals-report-/

DISRUPTIVE EVENTS THAT AFFECTED SUPPLY CHAINS AROUND THE WORLD IN 2018 AND UPCOMING TRENDS FOR 2019-DHL
https://www.resilience360.dhl.com/resilienceinsights/resilience360-annual-risk-report-2018/