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未来の購買部門はより少数精鋭化の付加価値集団になると、Hackett Groupの2018年ベンチマークレポートから-CIPS(Supply Management) (2018-08-25)

2018年8月8日に「デジタル変革が購買のトップクラス水準を引き上げ(Raising the World-Class Bar in Procurement Through Digital Transformation)」と昨年と同じタイトルで公開されたHackett Groupの年次ベンチマークマークレポートが大きな話題を呼んでいます。このレポートは、発行のたびに注目を集めますが、CIPS(Supply Managemet)は「未来の購買部門はより少数精鋭化が進むであろう」という記事タイトルで紹介しました。

レポートの概要は以下。

・2018年の購買ROIは世界的トップクラスの企業が10.67(前年は10.38)、平均的企業が4.70(前年は4.55)。
昨年は「もはや上昇はなく低下する」と予測されていたが、今年のレポートでは「横ばいから上昇に」今後の予想が変化した(図3)。

・差の原因の1つは人件費であり、平均的企業に比べて22%低い(図1)。
・業務内容で見ると、業務オペレーションの工数が平均的企業の半分である(図2)。
・かといって、IT費用も平均的企業に比べて24%低い(図1)。
・スタッフ数は29%少なく、個々のスタッフが業務で達成している成果も高いと想定される。
・その結果、世界的トップクラスと平均的企業の差は縮小してはいない。

・退職率はトップ企業(3.0%)に対し、平均的企業(4.5%)で、トップ企業の1.5倍である。

レポートで取り上げられている「6つのデジタル化進めるキーポイント/決め手」の内容も、レポートの題も昨年同じと、少し中途半端な今年のレポートですが、数字は参考になると思います。

また、CIPS(Supply Managemet)は、Hackett Groupの英国トップのコメントとして、以下の内容を紹介しています。
・単純業務のデジタル化による組織規模縮小は世界的なトレンドである。
・購買スタッフは価値創出による事業(ビジネス)への貢献に注力できるようになる。
・データ分析などのデジタルツールの高度化も進み、データを活用したサプライヤー対応も進む。

※Hackett Groupのレポートは、非常に多くの米英企業が権威あるベンチマークとして参考にしており、日本企業においても留意が必要と考えられます。

参考)
上記レポートのダウンロード先-The Hackett Group
https://www.thehackettgroup.com/world-class-pro-1806/

Hackett Research Links Procurement Digitization To Employee Retention
https://www.pymnts.com/news/b2b-payments/2018/hackett-employee-retention-procurement/

World-Class Procurement Organizations Boast 29% Fewer Staff and 21% Lower Labor Costs-Spend Matters
http://spendmatters.com/2018/08/27/world-class-procurement-organizations-boast-29-fewer-staff-and-21-lower-labor-costs/

Hackett Groupの新レポートは先端デジタル技術活用が購買ROIの向上に不可欠と指摘 (2017年8月29日)
https://www.facebook.com/Fitscobuy/posts/F1628343147196923

優秀な購買部門が実施する5つの重要施策~購買人数・予算は増加傾向も、トップと平均の購買組織業績格差が拡大-Hackett Group (2016年9月28日)
https://www.facebook.com/itscobuy/posts%2F1272319439465964