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サプライヤーへの緊迫度は、英国およびグローバルともに上昇傾向、特に運送業-CIPS(Supply Management) (2018-06-15)

現在日本国内でも、コンデンサなどの特定品目で厳しい需給逼迫が起きていますが、世界的にも運送業などのサプライヤーの需給逼迫が強まっている模様です。

調査会社ダン&ブラッドストリート(D&B)が英国のクランフィールド大学と共同で調査し、四半期に発表している「グローバル・サプライチェーン・リスクレポート」の2018年第1四半期版が発表され、結果としてサプライヤーへの緊迫度(Supplier Criticality)が高まっていることが示されました。

サプライヤーへの緊迫度は100%を満点として、独自の方法で算出されています。英国国内の状況ではありますが、2017年第4四半期の42.2%から6.7%上昇して47.8%になった(2018年1月単月では46.4%)と、かなり急に上昇してきていることが報告されています。

顕著な上昇を見せているのが運送業で、日本だけではなく、英国、ひいては世界中でロジスティックの逼迫が発生していると考えられます。その他で逼迫しているのは、小売業や卸売業で、製造業は40%前後で安定しており、Brexitの影響で低迷している英国の建設業は逼迫状況が低下してきています(ここは日本とは異なるようです)。

また、D&Bのカントリーリスク指標(7点満点)に基づいて、リスク(需給逼迫などの経済リスクに加えて、政治リスクなども含む)の高い国に位置するサプライヤーの分布状況を評価したグローバル調達リスクは、2017年第4四半期の 20.6%から2.2%上昇して、2018年第1四半期は22.8%となっています。 そして特に製造業と運送業が上昇しています。

なお、このレポートは、D&Bがもつ600,000件の抽出取引データを分析した結果を四半期ごとに公表しているものです。