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官民共同機関が、PwCを使って空母2隻の建造費を約220億円削減 - CIPS News (2016-02-23)

イギリス国防省と民間3社(バブコック・インターナショナル社、BAEシステムズ社、タレス社)による官民合同のエアクラフト・キャリア・アライアンス(ACA)コンソーシアムは、購買戦略が大成功したおかげで、英国空母建造費を2隻合計で約220億円(1.39億ポンド)削減できたと、CIPSニュースが報じています(もしかしたら、2016 CIPS Supply Management Awardsを受賞する事例になるかもしれません)。
当初の138億円(8600万ポンド)の削減見込みを、PwCコスト削減アプローチ方法論を適用して、ACAは2015年までにここまで増加させたとのことです。

記述から読み取れた活動内容は以下:
・5週間の診断フェーズを実施した結果、200個の改善機会を識別
・合宿ワークショップで改善機会の優先順位付けを行うと共に、削減目標額を設定
・各削減機会には、達成有無を明確にする「達成度ゲート(Maturituy Gate)を設定
 (改善機会を刈り取ったかどうかを確実に判るようにした)
・週次で削減進捗チェック(Cost Saving surgery:最近よく目する流行言葉)実施

その結果、67の活動から削減が生み出されたとのことですが、主要な削減領域は;
・契約の再交渉 - 4200万ポンド
・重点領域としてコスト削減実施 - 3400万ポンド
・業務運用変更 - 3000万ポンド

契約管理について、担当したPwCディレクターのRoss ElliottのBlog記事「The three phases of contract management in Aerospace & Defence – and how to avoid the deep pitfalls at each stage」の翻訳をノートに翻訳しました。タイトルは「006 : 翻訳 - 航空宇宙&防衛産業での契約管理の3つのフェーズ - そして各段階の深い落とし穴をどう避けるのか」です。
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なお、対象のQE級空母は1隻4000億円以上に対してこの削減金額なので、削減率としてはそれほど大きくありません。かつ、当初からコスト高が問題視されていて、抵抗勢力は少ない条件下での実施と考えられます。ただし、後工程に行くほどコストが膨らむこの手の案件では、削減が出ていることが重要なのかもしれないと思います。
また、PwCコスト削減アプローチ方法論は特に他社と違いがあるのではなく、コンサルティグ会社で一般的な手順のものと思えますが、想定するに、基本に忠実に着実に実行して優れた成果を生んだ参考事例になるのではと思いました。

官民共同機関が、PwCを使って空母2隻の建造費を約220億円削減 - CIPS News #COBUY...

Posted by It's購買系 on 2016年2月23日